今見直したい「緑茶」の力
今の時期に飲む温かい緑茶は、体も温まる上にホッとした気分になれて最高ですよね!
そんな「緑茶」は美味しいだけでなく、健康にも美容にも良い優秀な飲み物なのです。
今回はそんな緑茶について掘り下げていきます!
目次
緑茶の種類
緑茶と一言で言っても、様々な種類があります。まずは、緑茶の種類と特徴をご紹介します!
玉露
新芽が2~3枚開き始めたころ、茶園をヨシズやワラで20日間ほど覆い(被覆栽培)、
日光をさえぎって育てたお茶が「玉露」です。
最近は、寒冷紗(かんれいしゃ)などの化学繊維で覆うことも多くなっています。
光を制限して新芽を育てることにより、アミノ酸(テアニン)からカテキンへの生成が抑えられ、
渋みが少なく、旨みが豊富な味になります。海苔に似た「覆い香」が特徴的です。
同様に被覆栽培する緑茶として「かぶせ茶(冠茶)」がありますが、
かぶせ茶は玉露よりも短い1週間前後の被覆期間です。
煎茶
煎茶は、緑茶の中で、もっともよく飲まれているポピュラーなお茶です。
お茶は、茶園で栽培した生葉を加工することによって製品となります。
生葉は、摘採した時点から酸化酵素の働きによって変化(発酵)が始まりますが、
緑茶は新鮮な状態で熱処理(蒸す・炒る)することで酸化酵素の働きを止めた「不発酵茶」です。
この「生葉を熱処理し、葉の形状を整え、水分をある程度まで下げて保存に耐えられる状態」にすることを荒茶製造といい、
蒸して揉んで荒茶を製造するもっとも一般的な製法でつくられたお茶を「煎茶」と呼びます。
番茶
一番茶は、その年の最初に生育した新芽を摘み採ってつくったお茶のことで、新茶と呼ばれることもあります。
以降、摘み採った順番により、「二番茶」「三番茶」と呼ばれます。
「一番茶」のことを「新茶」と呼ぶこともあります。
「一番茶」はその後に摘み採られる「二番茶」「三番茶」などと対比して使われることが多く、
「新茶」は1年で最初に摘まれる「初物(はつもの)」の意味を込めて、また「旬」のものとして呼ばれます。
地域によっては、三番茶を摘み採らずに、秋口に摘む「秋冬番茶」というものもあります。
抹茶
てん茶を石臼あるいは微粉砕機で挽いたものです。
茶道のお点前のほか飲料、お菓子、アイスクリームの原料として使われています。
抹茶の原料となるお茶は、以前は樹齢70~80年ぐらいの古木や樹齢3~15年ぐらいの
若木から摘採した茶葉が使われましたが、
近年は品種(さみどり・ごこう・あさひ・やぶきたなど)の選定や、肥培管理・被覆期間などを
工夫した茶葉で作ったてん茶が使用されるようにもなっています。
お菓子やアイスクリームなどの食品を引き立たせるため、
茶園で覆いをせず、揉まずに乾燥させたてん茶を粉砕した抹茶も、食品素材として広く普及しています。
ほうじ茶
煎茶、番茶などの茶葉をキツネ色になるまで強火で焙じて香ばしさを引き出したお茶のことです。
※焙(ほう)じる:火であぶってしめりけをなくすこと。焙煎のこと。
高温で焙煎するので、カフェインが昇華して苦みが飛ぶので、
子供やお年寄りの苦味の苦手な方にも飲みやすいお茶です。
香ばしさとすっきりとした軽い味が特徴です。
煎茶に比べて、アミノ酸(旨み)、カテキン(渋み)だけでなく、
カフェイン(苦味)、ビタミンCも少ないお茶になります。
香ばしくさっぱりしているので、脂っこい食事の後や寝る前にもおすすめです。
料亭などでも食事中に出されることが多いお茶です。
玄米茶
水に浸して蒸した玄米を炒り、これに番茶や煎茶などをほぼ同量の割合で加えたお茶のことです。
炒り玄米の香ばしさと、番茶や煎茶のさっぱりとした味わいが特徴です。
玄米が混入していることで、煎茶や番茶の使用量が少なくなり、
カフェインが少ないため、お子さまやお年寄りの苦味の苦手な方にも飲みやすいお茶です。
緑茶の成分
緑茶は体に良い成分がたくさん!
健康に良いとは分かっていてもどんな成分が入っているのか詳しくは、
分からないという方も多いのではないでしょうか?
緑茶の栄養成分をまとめました!
タンニン
ポリフェノールの一種で、緑茶に含まれるタンニンはカテキン類に分類されます。
収れん作用を持ち、口に入れると強い渋みを感じることが特徴です。
肌につけることで、毛穴を引き締める効果を持つため、化粧品などに配合されています。
また、抗酸化力を持つことから、動脈硬化を防ぎ、生活習慣病予防にも効果を発揮します。
緑茶の渋みでもあり、また後味に温和な甘味もあります。空気中に放置すると褐色になります。
カフェイン(アルカロイド)
コーヒー類に多く含まれることからその名がついたといわれるカフェインは、
昔はぜん息の治療に使用されていました。
眠気覚ましとして使用されることが多いカフェインですが、
その他にもむくみの抑制や冷え症の改善などの働きを持っています。
温水に良く溶け、苦味があります。
とくに若葉に多く、抹茶4.6%、玉露3.0%、煎茶2.8%、番茶2.0%含まれています。
テアニン
テアニンとはお茶のうま味・甘味に関与する成分でアミノ酸の一種です。
玉露や抹茶等に多く含まれ、興奮を鎮めて緊張を和らげる働きと、心身をリラックスさせる効果を持っています。
テアニンが脳内に入ることで、神経伝達物質のドーパミンやセロトニンの濃度を変化させるため、
血圧降下作用や脳神経細胞保護作用に加え、記憶力や集中力を高める効果があります。
抹茶には番茶の12倍のテアニンが含まれています。
ビタミン
β-カロテンやビタミンB1、ビタミンB2、ニコチン酸、パントテン酸、
葉酸、ビオチン、ビタミンCなど多くのビタミンを含んでいます。
特にビタミンCの含有量が多いのが特徴です。
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。
その為、肌にハリを持たせたり、シミを予防する美容効果や、
免疫力を高めて風邪をひきにくくする効果、
ストレスに対する抵抗力を高める効果があります。
緑茶100g中に、玉露19mg、煎茶6mg、釜炒り茶4mg、番茶3mgのビタミンCを含んでいます。
なお、紅茶にはビタミンCは含まれていません。
また、レモン1個(120g)にはおおよそ20mgのビタミンCが含まれています。
緑茶の効果
たくさんの栄養素を含む緑茶。
では、そういった栄養素がわたしたちの体にどんな良い効果をもたらしてくれるのでしょうか?
体脂肪低下
緑茶に含まれるカテキンにはコレステロールや脂肪の吸収を抑える働きがあります。
カテキンが脂肪の吸収を抑える働きにより、腹部の脂肪も減るので、
ダイエット中に飲む飲むおススメです!
抗酸化作用
ポリフェノールの一種であるカテキンには体内で発生する活性酸素を除去する、抗酸化作用があります。
その上、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防にも期待できます。
また、緑茶に含まれるβ-カロテンはプロビタミンAとよばれ、
体内のビタミンAの必要量に応じてβ-カロテンがビタミンAに変わります。
また、ビタミンCは皮膚や粘膜の保護、健康維持に働きます。
特にコラーゲンの形成にはビタミンCは欠かせません。
ビタミンCは抗酸化作用もあり、活性酸素の除去に役立ちます。美肌効果もあります。
疲労感・眠気対策(カフェイン)
カフェインには覚せい作用があるので、疲労感や眠気対策になります。
むくみを予防・改善する効果、脂肪の燃焼を促す効果、冷え症を改善する効果もあるので
女性には嬉しい成分ですね!
その他、利尿作用、二日酔い防止作用があります。
リラックス作用(テアニン)
脳の神経細胞を保護や緊張を緩和するのでリラックス作用があります。
テアニンを摂取すると筋肉がゆるみ、血管が拡張するので血行が良くなります。
リラックス作用により集中力もUPさせてくれる効果があります。
脳細胞の活性化(γ-アミノ酸(ギャバ))
ギャバ(GABA)は脳内に存在し、体内ではグルタミン酸からも作られます。
神経伝達物質の一種で、脳への酸素供給量を増やし、脳細胞を活性化するほか、
ストレスを感じている時などに、精神を安定させる働きもあります。
免疫力アップ!
カテキンは免疫力向上に効果的とも言われています。
カテキンには、4つの種類がありますが、
とくに高い抗ウイルス作用があるのが「エピガロカテキンガレート」。
インフルエンザの原因となるウイルスや小児の風邪の原因となるウイルスに作用し、
感染を防ぐ働きがあることが明らかになっています。
寒い時期にはカテキンの力を借りて、免疫力をあげていきたいですね!
美味しいお茶の煎れ方
お湯の温度
お湯の温度は、お茶のおいしさを引き出す重要なポイントとなります。
また、お茶の種類によって適した温度が変わります。
それは、お湯の温度によって浸出するお茶の香味成分が異なるためで、
例えば、渋み成分のカテキンは80度以上の高温で、
旨み成分のアミノ酸は50度以上の低温で溶け出しやすいとされています。
煎茶の場合、渋みを抑えて旨み成分を引き出すため70~80度で、
旨み成分を引き出したい玉露は50度程度の低温でじっくりと、
逆に香りが特徴の玄米茶・ほうじ茶・中国茶(種類による)・紅茶は100度の熱湯を使用して、
香りや渋みの成分を引き出します。
渋い煎茶が好みの場合や緑茶の健康成分、カテキンを効果的に摂取するためには、
カテキンを多く含む茶葉を選び、高温のお湯を使用するとよいでしょう。
お茶の種類別入れ方の違い
玉露
玉露は急須と茶わんの両方を温めておき、一煎目は最後の一滴まで残さず注ぎます。
二煎目は一煎目よりもお湯の温度を高めにし、急須に入れてから30秒ほど浸出させ茶わんに注ぎます。
三煎目はさらに高い温度のお湯で15秒位で出します。
煎茶
煎茶は数人分の時は、一煎目は濃さが平均するように次ぎ分け、急須の中に茶液を残さないようにします。
二煎目、三煎目を入れるときは、茶葉が既に開いているのでお湯の温度を高くし、蒸らし時間を短めにします。
番茶・ほうじ茶
番茶やほうじ茶は、急須にお湯を入れてから30秒くらい浸出させます。
急須はゆすらずに、茶葉の「より」がほどけるのを、ゆったり待ちましょう。
濃さが平均するように次ぎ分け、急須の中に茶液を残さないようにします。二煎目は1分くらい浸出します。
まとめ
調べていけばいくほど、緑茶にはたくさんの身体に良い成分が含まれており
健康や美容に良い事が分かりました!!
また、なんといっても緑茶に含まれるカテキンには、免疫力UPの効果があるので、
風邪を引かない為にも、積極的に飲むようにしていきたいと感じました。